9/18 樽体型

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 アメリカ南部のとあるハイスクール。とあるクラス。  男はお調子者の明るい性格が評判、また心優しく人を蹴落とすのが嫌いなタイプ。ただし勉強もスポーツもからっきしのクラスの底辺層に位置する人間。  女はクラスのマドンナ、勉強もスポーツも万能かつ歌が好きでジャズボーカルになりたいと常日頃から研鑽をつむ努力家肌。  男は女に密かに想いを寄せた。  でも女は男は好みのタイプではない。  何度となく告白してはフラれ、モーションをかけてはつれなくされる。それでも男はあきらめない。  そうこうしてる内に挫折・友情・進学。  青春の青い悩みは尽きることなく人生の岐路にたたされるふたり。女は何とか希望したとおりの進路を進み、男は何も行くあてがない。  と、そこで女はふいに思った。 『彼はわたしのことをずっと見ててくれた』   どんなに辛く当たろうともどんなにひどい言葉を投げつけようとも。いや自分が辛い時・悲しい時にも自分に変わらない好意を寄せてくれていた彼。  そんな彼に初めて向き合ってみよう、女はそう思った。しかし。 『これから君は音楽の道に進みもしかしたら有名なディーバになるだろう。そんな君の側に俺みたいな人間がいるわけにはいかないさ』  と身を引いて去っていく男。  片恋はようやく終わったかのように見えた。  が。  数年後。  地元の大きなテーマパーク。  ストリートパフォーマー兼物乞いをしながらようやくその日の生計を立てる男と、中々芽が出ることなく母子ふたりで地方周りばかりしつつでも夢はあきらめない、その女が再び出会う…………。  というアカデミー賞ムービィばりな夢を見ました。