ギリシャ顛末記 ~5日目2章~

 さてさてギリシャ顛末記。5日目の夕方。  今回の旅には、大義がふたつありました。  まずひとつめ。 『友人とふたりで海外旅行しよう!』  この一緒に行くはずだった友人とは人生2/3近くをつきあい、いろいろ旅行し、遊んだりしてきたくせに、なぜかふたり旅海外編というのは一度もなかったから。  そしてふたつめ。 『世界一周旅をしてる連れと世界のどこかでおちあおう!』  同じように人生2/3近くの連れです。その連れの安否の確認とドラマティック(?)な再会を期待して。  最初のひとつめの大義はしょっぱなから費えました。ヤツの飛行機乗り遅れで[emoji:v-359]!  従って残りはひとつ。  これは外すわけにはいかん!  お使いもあることですし、これまで実現できなかったらウン万円もかけてグリースまで来た意味がまったくナッシング!  というわけで。  待ち合わせたのは5日目。  夕方18:30。リカヴィトスの丘の上。    ここのケーブルカー。単線でもないくせに、頂上まで3分しかかからんくせに、30分に1本しかないんですよ。もっとやる気出せよギリシャ人[emoji:v-359]。  ペロポネソス半島からホテルまで帰り着いたのが16:30ころでした。  で、お使いものを持ってホテルを出、丘の下についたのがおよそ17:15。 20060625222804.jpg
 待ち合わせは18:30。早めに行って置くべしと用心深いワタクシは、17:30のにはケーブル麓駅に。 20060625222816.jpg
 もしかしたら連れも同じケーブルに乗ってるかも、と思いつつ乗り込みました。  いませんでした。  まあまだ1時間も前ですからね。それはいいんです。  さあではケーブルれっつごー!   17:33には頂上でした。 20060625222834.jpg
   さて、予定の時間まであと57分。  ひま潰そうと頂上あたりをうろついてみましたが、またここの展望台がちゃちいのなんの。10分で観光終了です。やることもなし。  仕方なしにぼけらー、とベンチに座り込んで時間を待つしかありません。  そのうちに17:57になりました。  18:30待ち合わせで30分に1本しかないのなら18:00のケーブルに乗ってくるだろう、という予測の元に、ワタクシは友人を出迎えるべくケーブル頂上駅に向かいました。  18:00ちょうどのケーブルが18:03に到着。  …………いません。  まあでもまだ30分ありますからね。18:30発のに乗っても18:33には頂上につきますからね。  そう自分に言い聞かせて再び展望台に舞い戻り。  ぼけらー、とやる事もなしに座り込み。カカイルのことを考えたりカカイルのことを考えたりカカイルのことを考えたり。  そして時計を見たらようやく18:27。  ワタクシの胸はどきどきと高鳴り始めました。  もう来るかな?いい加減来るかな?とまたケーブル頂上駅に向かいます。  けっこうヒト乗っています。  連れは………………………………いませんでした。 「………………………………」  さすがに別の意味でどきどきしてきました。  心臓が痛いくらいのプレッシャーでした。  いつ来るのかな。  次には来るのかな。  来なかったらどうしよう。  もしかしたら何かトラブルとか巻き込まれてるとか時間間違えてるとかギリシャには実はいなかったりとか。  ああもしかしてひこーき乗り遅れた連れから連絡来ててあたしも来られなかったって勘違いしてたりしてて来ないことになっちゃったかも…………なんてメビウス思考に陥り始めた。  その時でした。  18:38。  がったんごっとん。  ケーブルが動き出しました。 「あれ?」    ケーブル30分に1本のはずなのに。  何か点検とか何かかな?と思っていたら。  18:41。  到着したケーブルから連れが! 「「あ~~~~~~~!!!!」」  ふたりは無事再会を果たしたのでした。めでたしめでたし。  よくよく見たらケーブルの注意書きに『30分に1本運行。ただしヒトがたまってきたら運転します(英語)』と。  ちなみに19:30のケーブルで下山しようと思ったら19:29には出発しやがりました。やる気やっぱりないやろギリシャ人[emoji:v-359]。    そして連れはと言えば。  開口一番。 「あれ?もうひとりは?」     はい、乗り遅れました。  とりあえず半分は大義を果たせた自分を褒めてやりたいと思います。